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#17 【コラム】言葉でのコミュニケーションについて
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こんにちは。インターナショナルワークゲートです。
本HPの「お知らせ」では、技能実習生に係る最新情報や、
知っておきたい情報等を不定期で発信しております。
前回のお知らせ
⇒#16 技能実習実施における重篤な違反例について
本日は、【コラム】言葉でのコミュニケーションについてです。
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日本にいる技能実習生が日本に来て一番苦労することは言葉です。
そこで、日本に来て間もない技能実習生と日本語で円滑に
コミュニケーションを図るために役立つ情報をお届けします。
皆さん、「やさしい日本語」を知っていますか?
「やさしい日本語」とは、簡易な表現を用いたり、
文の構造を簡単にしたり、漢字にふりがなを振るなどして
子どもや日本語に不慣れな外国人にもわかりやすくした日本語のことです。
元々は阪神・淡路大震災で多くの在日外国人も被災しましたが、
この時日本人の死傷者は約1%でしたが、外国人の死傷者は2%以上でした。
その後の調査で避難所やライフラインの情報を理解できずに、
彼らの多くが困難な状況に置かれていたことが判明しました。
彼らの母語は様々で、災害が起こった時、生き延びるのに
必要な日本語をすぐに多言語に翻訳するのは非常に困難だったようです。
これを契機に、災害時のやさしい日本語での発信の取組が全国に広がりました。
この「やさしい日本語」のガイドラインを一読すると、
「なるほど!」と思えるポイントが発見できると思います。
【参考】
①在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン
②別冊 やさしい日本語 書き換え例
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また、以下の点に気を付けるだけでも分かりやすくなります。
<わかりやすい文章>
「~しないわけではない」といった二重否定を使わない。
日本人にとっても理解に時間がかかることがあります。
なるべく肯定形で短く単純な文章を使ってみてください。
「~以外は必要ない」といった複雑な表現も難しいです。
例)
NG「その業務は今のAさんでもできないわけじゃないんだよ。」
OK「その仕事は今のAさんならできますよ。やってみましょう。」
<曖昧な表現を使わない>
~など、~くらい、~頃といった婉曲表現を使わない。
これは特に日本人が多用し、外国人が混乱する言葉です。
そして時間の感覚は国によって違います。
日本人の多くは職場で「14時頃に来てください」と言われると、
10分前に来ることが多いのではないでしょうか。
しかし、国によってはそうでないことも多いです。
例)
NG「16時からの会議に出てください」。
OK「16時から会議を始めます。15時50分までに来てください。」
<使役・受身・使役受身表現を使わない>
誰が何をしなくてはいけないかを理解することが難しいです。
例)食べる
使役形「食べさせる」
受身形「食べられる」
尊敬語「食べられる」
使役受身「食べさせられる」
この少しの違いで意味が大きく異なってしまうことが、
技能実習生にとって難しく感じるところです。
<擬声語・擬音語などを使わない>
「擬声語」げらげら、ぺちゃくちゃ等
「擬音語」ざあざあ、ごろごろ、どんどん等
「擬態語」つるつる、さらっと、ぐちゃぐちゃ、どんより等
「擬容語」うろうろ、ばたばた、のろのろ、ぼうっと等
「擬情語」いらいら、ずきずき、しんみり、わくわく等
<話す速さや表情>
日本人が話す日本語は、私たちの想像以上に速く聞こえています。
そして、日本語の発声は口の筋肉をあまり使わずに話すことができます。
口を大きく開けずに話しても、日本人同士では会話が成り立ちますが、
技能実習生にとっては、聞き取ることが難しい理由となります。
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IWGでは、こうした情報提供により、技能実習生の安心や安全だけでなく、
実習実施者様の安心にも寄与できればと考えております。
何かお困りごとがあれば、当組合までお気軽にご相談ください。
今回は以上となります。
また、今後も外国人技能実習生に係る様々な情報をお届けしてまいります。